「八柱之大神その8 面足之命」
さて八柱之大神様のお話も今回が最後です。八柱様は、天輪王と呼称された、守護神様八体の総称であります。1つ二ツと言い表される天之御中を指導神救世主となし二ツ1つ親神天之大神様を創造主とする、13神の理の最後が面足之命様です。
一言で言えば、「温み之大神」様であります。この温みの大神様が体温をお与えになるから我々は人として温みを持って生まれるのであります。
また、日のきよめを司る大神様として、水のきよめを司る国常立之命と対をなします。水のきよめとは違って、日のきよめは焼き尽くして清めるという激しさを持っており、全ての出直しを迫るお清めと覚悟せねばなりません。
午(南)に位置し、女性原理を表す大神様であらせられます。女性の特徴であるところの優しさを持つが、時には日に焦がす情熱を持つのであります。御姿は蛇のごとく頭が12尾が3に分かれ、尾は3本の剣になって天地天地中を祓うという。頭が12というのは、それぞれに12支あるいは12ヶ月を支配するという、象徴的なことを表しています。
この大神様は伊弉冉尊を生み出し、伊弉冉尊を象徴するものとして、巳が今もあがめられるのは、が蛇のごとくあるからであります。大気はこの大神様の衣であり、地球はその衣をまとい温みを大地にもたらすのであります。かくて、あらゆる生命をはぐくむのであります。人の命を支える血流と、それに熱を与えたのもこの神であります。
惜しむ心根を嫌いますが、その故でしょう母性はその子供に惜しむと言うことがありません。母心というのは、無私の愛であり、全ての命をはぐくまれる面足様の心を表現したものであります。
母性原理を体現する大神様と言えると思いますが、惜しむ心根が引き起こす病には、しばしば高熱を伴い頭に登る病となることを忘れないでいただきたいと思います。具体的に申しますと、はしかや肺病他、高熱を伴う身上や、頭痛など、脳から来る病や、神経性というか精神性というか心療内科で扱う病気のほとんどがこの大神の退いた現証であるとお教えになります。
一日の守護で言いますと、日様が南中する12時から14時、この大神様の護りが最大になるので、この時刻に祈るのです。月々では、16日目の午前0時より、18日目の午前12時にもこの大神様が護りに入られ、年々6月21日より7月20日にもお立ちになられる。
後に、阿弥陀と称された比丘法蔵の無量寿無量光などの思想は、良くこの大神様の考え方を示すものであります。すなわち、溢れるばかりの愛と光を与える存在が面足之命様なのであります。また、一般に観音様もこの大神に発します。すなわち、母性を持って惜しむことなく衆生を助けようという無辺の存在が観世音菩薩と認識され、今も多くの信仰を集めています。
面足之命様は、以上のように、垂迹すると浄土を展開したのでありますが、その基本は、惜しむことのない愛であります。この愛に命を賭けて応えることが大切です。
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