ホームページを新たに立ち上げるとき、あるいは、リニューアルするときも、周到な準備と段取りが必要になります。

 個人のホームページであったとしても、方針を立てて、それなりの用意して、順を踏んで次のような作業を行うことをお薦めします。
ましてや、大きな会社や、組織の場合は、準備だけでも、1年以上掛かることも、よくある話です。
随分前ですが、以前に自分が働いていた会社では、1年以上の準備期間が掛かったと聞いた記憶があります。
ホームページを開設、あるいは、リニューアルするために、しなければならないこと、段取りを、以下にまとめてみました。

(1) 掲載する内容(コンテンツ)の整理と作成

 最初に、ホームページを立ち上げる目的と、見てもらう対象者をハッキリさせます。

 目的の例、

  • 会社案内レベルの情報公開をする。
  • 会社の詳しい業務内容を紹介して、できれば仕事を取りたい。集客したい。
  • ホームページで、物品・サービスを販売したい。等々。

 目的の決定には、個人サイトでない場合、組織の責任者が関わることが重要です。
 ホームページを見てもらう人(ターゲット)を定義して、見てもらった人に、何を期待するかを明確にします。
 特に、大きな企業、組織のホームページは、ハッキングによる改竄、個人情報の漏洩に備えて、セキュリティ対策を万全にしなければなりません。

 大きな組織であれば、ホームページ制作のため、各部署からメンバーを募り、組織を立ち上げることも必要だと思います。
 ホームページ開設、リニュ-アルの目標が決まったら、その目標に向かって、公開すべきコンテンツ(例えば、会社の写真、社長の挨拶)等を、準備していきます。

(2) ドメインの取得

 日本の企業であれば、*.jpドメインを取得することをお薦めします。
 *.com 等の海外のドメインは、*.jp ドメインを持っていて、2つめ、3つめのドメインを取得するのであれば、よいかと思います。

 会社であれば、*.co.jp ドメイン(登記されている会社のドメイン)、個人であれば、*.jp(汎用JPドメイン)などを、取得することをお薦めします。
 「JPドメインの種類」を参照。
 ドメインの取得については、いろいろ方法があります。

  • お名前.com」のようなところで、自分自身で申し込んで、取得する。
  • 採用するレンタルサーバの管理(操作)パネルを使って、ドメインを申し込む。
  • デザイン会社、システム開発会社に委託して、ドメインを取得して管理してもらう。
    等。

 取得したときに、そのドメインが自分のものであることを、確認しておくべきです。
 日本のJPドメイン(*.jp)の場合、以下のJPRS(日本レジストリサービス)というサイトのWhoisで確認できます。

  但し、汎用JPドメインは、登録者名にレンタルサーバ会社のみが表示されるので、注意が必要です。

(3) CMS(Contents Management System)の選択

ホームページを立ち上げる場合、CMS を使うことをお薦めしています。


 滅多に更新をしないホームページの場合は、CMS は必要ないです。まれにあることですが、他にはない独自の商品・サービス・強みを持っている会社の場合は、CMS が必要ない場合があるかもしれません。

 CMS は、オープンソースの無料で使用できるものから、大規模な組織のWebサイトを管理することを目的とした有償のもの、その企業の目的のにニーズに合わせたオリジナルのCMSなど、様々な選択肢があります。
 CMSの種類は、それこそ、数え切れないほどあります。
 ホームページを立ち上げる目的、サイトの規模などを考慮して、慎重に選択しましょう。
 安易に業者の売り込みを鵜呑みにしないで、自分で情報収集して、選択することををお薦めします。

(4) レンタルサーバと、制作業者(会社・個人)の選定

 CMSを導入することを考慮すると、初期構築費用が、1,000万円以上、年間保守費用が200万円/年以上という専用CMS から、初期費用が30万円、年間保守費用が、数万円/年というケースまであります。
 自分のホームページの性格、規模に見合った制作業者を選択することが重要です。
 できれば、CMS での構築の経験を持っているデザイン会社、システム開発会社を選択することを、おお薦めいたします。
 CMS を使う場合、CMS に対応できない業者には、仕事を依頼しない方が良いでしょう。

(5) 制作作業

 業者からの見積を取って、予算が合えば、作業開始となります。
 デザイン及びシステムは、業者が制作しますが、コンセプトやホームページに掲載する大まかな内容(こういうことを載せたいという希望)は、できるだけ自分自身で考えて作成することをお薦めします。面倒だからと何もかも業者に任せた結果、自分たちの思いと全く違うものができあがることがあるのです。
 どんなサイトを作り合いたいのか、しっかりと考えて制作会社に伝えましょう。

 また、実際に公開するコピー(文章)については、記事の作り始めは、制作会社の編集スタッフに手伝ってもらうことをお薦めします。

 ホームページの内容・コンテンツは、最も見て欲しい対象者(ターゲット)に、十分に伝たわる言葉で、語りかけることが重要です。
 自分自身のことは、自分自身が一番よく知っていることは事実です。しかし、自身が第三者から、どのように見えているかが分かっている人は、非常に少ないです。第三者であるライターに取材(インタビュー)してもらい、記事をリライトしてもらうことが良い記事を作る秘訣です。

 制作会社に依頼して、写真撮影や取材をしてもらい、ホームページの構成、及び、コンテンツ(記事)試作してもらいます。そのサイトを見ながら、自社のスタッフで手直しをしつつ、更新方法を覚えていくようなやり方が、理想的です。

 家を建てるのと同じで、注文主が知らないことも、易しい言葉で説明してくれて、きめの細かい配慮をしてくれる親切な制作業者を選ぶべきです。
 写真をアップするときは、肖像権や著作権に注意が必要です。

(6) 一般公開

 製作中は、新しいホームページを、パスワードで保護しておく必要があります。

ベーシック認証画面

 ベーシック認証 という設定をして、パスワードを知っている人間か、あるいは、許されたIPアドレスのユーザーの場合のみ、ページを見ることができないようにできます。
 この設定は、制作会社に依頼すれば、対応してくれるはずです。
 パスワードで保護すると、グーグルの検索エンジンに、引っ掛からないようになります。新しいホームページが完成したら、パスワードでの保護を外します。そのタイミングが、一般公開になります。
 新しいサイトの一般公開には、2つのパターンがあります。

(a) 全く新規で、これまでに使用したことがないドメインで、ホームページを開設する場合。

 この場合は、新しいホームページが完成したら、パスワードの保護を外すだけです。

(b) 既に、他のサーバで、同じドメインの、旧いホームページが開設されている場合。

 旧いサイトの住所(IPアドレス)を、新しいサイトの住所(IPアドレス)に、置き換える作業を行います。
 例えば、http://happynet.jp/などのURLのIPアドレスを、一般公開の直前に、新しいIPアドレスに、変更する必要があります。この作業は、通常、制作会社に依頼して、やってもらわなければなりません。
 このIPアドレスの変更は、世界中にIPアドレスの変更が行き渡るまでに、1日程度、時間が掛かることがあるので、注意が必要です。

公開前のページを見るテクニック

 旧いホームページが、別のレンタルサーバに開設されている場合、新しいホームページを確認しにくいという、技術的な問題があります。
 例えば、以下のような状況であったとしましょう。

・http://www.happynet.ne.jp/  の旧いレンタルサーバのIPアドレス 183.90.240.5
・http://www.happynet.ne.jp/  の新しいレンタルサーバのIPアドレス 223.29.45.185

 この場合、Windowsのパソコンでは、hosts ファイルを書き換えて、hosts ファイルに、次のような1行を追加するテクニックがあります。これは、専門家に依頼しましょう。
 183.90.240.5 www.happynet.ne.jp
 Mac のパソコンでも、同じような操作が必要です。