高橋信次先生のご講演では、よく霊道現象(霊道を開く現象)ということが行われていました。

高橋信次先生 ご講演 1976年8月号 表紙

霊道がひらくということは、今の言葉で言い換えたら、ハイヤーセルフとつながって、潜在意識が開いて、高次の天使や、過去世が語りだす「チャネリング」とでも、いったらよいでしょうか。

【参考】高橋信次先生ご講演 1976年3月 GLA関西本部 研修会「魂の仕組みと正法」
 テープ1 ご講演 、テープ2 霊道現象 

信次先生は、ご自分の表面意識(今生きている人生の意識)と、潜在意識を使い分けて、過去世でご縁があって、今生でも集まってきた、弟子たちの守護霊(潜在意識)を蘇らせて、語らせています。

私は、先生の講演会に、何度も参加させていただいたので、霊道現象を真近かに見ることができました。
最近は、そのような霊道現象の例を、見ることはなく、高橋信次先生がお持ちであった力が、いかに素晴らしかったかです。

信次先生も、おっしゃっているように、霊道現象は演技では、とても出来るものではありません。また、霊道現象に登場している人の素顔も知っています。

その当時(1970年代)、GLAで信次先生が行われた霊道現象は、先生が意図的に霊道を開き、守護霊に語っていただくというものでした。
(注、信次先生のいわれる「守護霊」とは、特別な意味(五人の分身)があります。五人の分身について、お話しようと思います。)

それは、転生輪廻の実証のためでした。
霊道が開かれた方たちは、いずれも、転生輪廻の証明者としての使命を持っていたのです。

そういうケースの場合、必ずしも、霊道を開くことが良いことか、どうか、微妙な問題がありました。

霊道を開くことで、自分は偉いというような錯覚をおこして、先生がよく戒められていた「増上慢」になるケースがあったようです。
(注、「増上慢」とは、仏教でいまだ悟りを得ていないのに得たと思う高ぶった慢心のこと。 つまり自己の価値をそれ以上に見ること。)

信次先生の指導の下で、ある中小企業の社長さんが霊道を開いて、お釈迦様が生まれた当時のインドでは、大国の王様であったことを語る、という霊道現象がありました。

その霊道現象を見ていて、どこか不自然な大声だったので、どうかな?を思っていたら、やはりその社長さんは、意識の調子を崩してしまったらしいのです。

霊道現象にはリスクがあります。表面意識が十分に準備ができていないのに、転生の証明をするため、意識の壁を開いて、潜在意識と表面意識と導通させると、その霊道から悪霊などに入られる危険が生じるということです。

そのころ、GLAの会員の中には、「自分が過去世で有名なお弟子さんだったらいいな」という、期待を持つ人がいました。霊道を開いて、講演会で自分の守護霊さんが語ることが、みなの憧れだったのです。

高橋信次先生のご著書 「心眼を開く」の「霊道」より、引用いたします。
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 したがって、霊道は、今世の肉体行の有無には関係ありません。日々の生活の場において、中道の心を失わず、人間らしい、正しい法にそった生活を送るならば霊道はひらけます。
 パラミタ、あるいは過去世を語る霊道は、反省と調和によってひらきます。
(注、パラミタとは、般若波羅密多心経の「波羅密多」のこと。つまり、潜在意識に内在された素晴らしい智慧(仏智)のこと。)
しかし、現象的には偶然あるいは己の意思には関係なくおこる場合があります。このため、ややもすればその霊道に、正しい理解を持たずにすごすという場合がおこりがちです。
ところが、決して偶然とか自分の意思に関係のない一方通行によってひらいているのではありません。
己の意思とは関係ないとはいえ、90%の潜在意識層(注、ハイヤーセルフ)はそれをよく知っているのであります。
すなわち、90%の潜在意識層にあるその人の守護霊(注、魂の兄弟)は十分それを知って意識の中から表出されてくるのであります。
 パラミタの霊道には、ある目的があります。それは人類の調和に役立たせることです。
したがってその霊道は、普通一般の霊媒、霊能とちがい、自分の潜在意識がひらかれ、過去世の意識がよみがえるという素晴らしいものであり、その霊道を、当てものや、己の欲心に求めたり、オモチャにするようなことがあれば、その反動は必ずや己自身にふりかかってくることを銘記すべきです。
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「霊道は、日々の生活の場において、中道の心を失わず、人間らしい、正しい法にそった生活を送るならば霊道はひらけます。」
「霊道を、当てものや、己の欲心に求めたり、オモチャにするようなことがあれば、その反動は必ずや己自身にふりかかってくる」と、信次先生は強く戒められています。
霊道を開いたことで、少しでも優越感を持ったとしたら、それはとても危険なことです。霊道現象で、もし偉大な天使が出てきたなら、よほど謙虚にすごさなければなりません。