先月(2020年9月)に、北陸内観研修所に行って、家を留守にしている間に、ある友人から、電話をもらっていました。
こちらから、電話を掛け直すと、次のように、おっしゃいました。
「黒川さんが、内観に行っているとは知らなかった。 ホームページをみて、分かったからよかった。 内観から帰ってこられたので、一度会って話をしましょう。」
「はい。いいですよ。」
とお答えしました。
早速、彼と、繁華街で、待ち合わせて、一緒に食事をしました。
私は、彼に、開口一番、
「これから、社会に非常に大きな変化が起きます。 大きな変化に、不安定になる人たちを癒すため、今後、ヒーラーとして活動していきます。」
と話しました。
彼には、何のことか、さっぱり分からなかったかもしれません。
私は、内観について、浄土真宗の「身調べ」という修法から、内観が生まれたというお話をしました。
偶然、彼の家の宗派が、浄土真宗であったため、興味を持っていただけたようです。
親鸞上人の「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」という教説の話をしました。
「ここでいう悪人とは、悪いと知りながら、平然と悪事をする、根っからの悪人のことではないです。 この悪人とは、自分をなんと罪深いのだろうと思い、自分自身を謙虚に見ている人たちのことです。 善人というのは、自分が悪いことをしているとは、思っていない人、つまり、反省がない人だともいえます。 反省がない人が往生できるのなら、謙虚に生きている悪人が、往生できないはずがない、というのが、親鸞聖人がおっしゃる趣旨です。」
※ 往生とは、極楽往生のこと。亡くなって、極楽に導かれること。
彼は、お父様が遺された蔵書に、親鸞上人の「教行信証」があるので、それをこれから、読んでみようと思うとおっしゃいます。
私の家の宗派は、曹洞宗で、父は、若いころ、般若心経をよく上げていたことをお話しました。彼が、
「これから、宗教の勉強をしたい。」
とおっしゃるので、私は、
「今の宗教は、非常に哲学的で、難しくなってしまっているので、簡単には、分かりませんよ。」
とお答えして、次のようなお話を、させていただきました。
「2500年以上前の昔、お釈迦さまが多くのお弟子と、祇園精舎、竹林精舎、等で、仏法を説かれていたころ、仏陀の教団に入門するには、7日間の反省瞑想が義務付けられていたんです。 反省瞑想が上手くできた入門希望者は、頭の後ろにきれいな後光が出てくるので、入門を許されました。後光がささないと許可が下りませんでした。 7日間、身調べをする内観は、原始仏教で入門時に課せられた反省瞑想を受け継いできているのかもしれません。」
彼とは、お互い年齢が近いので、私の父と、彼のお父様とは、終戦直後に、非常な苦労に直面した話になりました。
それは、1945年8月15日を境にして、日本が、軍国主義から、アメリカに与えられた民主主義に、180度、思想的な方向転換をさせられたことです。
その価値観の変化についていけずに、私の子供の頃の父は、鬱病のようになっていたと思われます。
私は、これから、日本の終戦時のように、社会的な価値観の大転換が起きるという話をしました。
「安倍首相に代わって、菅政権が誕生しました。 彼は、就任直後、自助、共助、公助のことを真っ先におっしゃいました。 そして、政府の役割として、共助、つまり、政府のセイフティネットのことを、強調しています。 コロナウイルス対策で、個人には一人10万円を配り、売り上げが減少した個人営業の方たちには、100万円を配布しました。 日本は、いよいよ、生活保護のようなセイフティネットで生きていく人たちが増えるでしょう。」
「それは、困る。」
と彼はおっしゃいました。それでは、競争原理が働かなくなる、と思われたのでしょう。
「また、アメリカがUFOの存在を否定しなくなっていることです。 いずれ、UFO、即ち、宇宙人が存在することが明らかされるでしょう。 宇宙人がいるということは、宇宙全体で、地球人が唯一の知的生命体であるという幻想が崩れるでしょう。 宇宙人のみならず、神様や幽霊の存在が肯定されるようになるでしょう。 そのような世界観、価値観の大転換が起こることで、多くの人たちは、価値観の大転換に茫然自失状態になるでしょう。」
彼は、次のようにおっしゃいました。
「宇宙人はいるんじゃないかな。 この広い宇宙の中で、地球にのみ、知的な生命体が存在するとは、信じにくい。 神様については、存在するかどうか分かりません。」
とおっしゃいました。
彼の答えは、良識ある平均的な日本人の価値観であると感じました。