昨日は、高橋信次先生の説かれた「反省」の概要をお伝えしましたが、具体的な反省の仕方について、自分の体験をシェアさせていただこうと思います。

高橋信次先生のご著書 「反省の要」「心行の言魂」

「反省」をお薦めしたのですが、なかなかイメージが湧わかないところもあると思います。

「反省」のやり方について、大きくいって、まとまった時間を取る「反省旅行」あるいは、「内省研修」と、もう一つは、毎日行う「日々の反省」の二つがあります。私は、そのようにしてやってきました。

【反省旅行】

信次先生から、反省旅行を奨められて、大学を卒業する直前に、1回、そして、就職して、その年のゴールデンウィークに1回と、併せて2回の反省旅行に行った記憶があります。その後、内省研修というのを2回受けました。

大学生の時は、一人で行きました。
GLAの講師に薦められて、知多半島にある海水浴場の民宿に、何日か泊まりました。

覚えていることは、とにかくノートに書いたことです。
その反省旅行で、ノートを1,2冊、使い切った記憶があります。

本当に自分が悪いことをしていたことに気づいたとき、涙があふれてきます。
どれだけ泣いたか分かりません。ただし、泣くために反省をするわけではないです。泣いてどれだけ心が浄化されたかが、成果が決まるような気がしました。

事務局長のTさんには、行く前にいろいろアドバイスをもらいました。
反省旅行から帰ってきたら、「すっきりしたね。行ってよかったね。」といわれました。

2度目は、伊豆半島の民宿に、同じくGLAに入っていた1歳年上の友人と行きました。

彼とお互いの経験をシェアすることができたことはよかったのですが、彼は民宿にこもりっきりになるのが、苦痛だったようです。
反省旅行に行くのなら、どちらかというと、一人で行くことをお勧めします。

そのころの反省のやり方は、生まれてから、現在までの期間を、1年ごとに区切って、1歳の時は、2歳の時は、...5歳の時は、6歳の時は、...22歳の時は、今は、というように年代順に自分のやってきたことを振り返りました。

肉体と心は別のものであると知った上で、心の機能を知ったうえで、反省に入るのです。

反省の基準は、お釈迦様が悟られたという「八正道」でした。

自分がしてきた、やってきたことに対して、仏教の八正道を基準にして、見直しをします。八つの正しい道とは、すなわり、正見(しょうけん)、正思(しょうし)、正語(しょうご)、正業(しょうぎょう)、正命(しょうみょう)、正進(しょうじん)、正念(しょうねん)、正定(しょうじょう)という、八つの正しい道です。その基準に、自分の行為を照らし合わせて、良い点と、悪い点を見つけるという作業を、延々と続けるのです。

八正道のお話は、信次先生の講演会があるたびに、必ずといってよいほど、お話された重要なポイントでした。

先生のご著書を調べてみたのですが、「心の指針」、「人間釈迦1」には、この八正道が説明されています。
ご参考にしてください。

【日々の反省】

そして、反省旅行とは別に、日々に反省を行いなさいと、教えられました。
一日が終わって、夜寝る前には、必ずその一日のことを振り返って、良い点、悪い点を思い出すのです。

感謝の心が足りなかった場合は、心の中で「ありがとう」といい、悪いことをしてしまったら、「ごめんなさい」をいう、簡単な反省です。

ただし、毎日となると、できない日もあり、それが二日、三日と溜まってくることもあります。
そういう時は、週末に、ノートを持って、図書館などに行って、静かに座って、反省をしたこともありました。

そういう若いころに身につけた習慣は、年を重ねても、自然に反省ができるようになった気がします。

ただ、今の時代と、自分が若かったころの1970年代を比べると、非常に変わってしまいました。インターネットも、スマホも、メールも、SNSも、グーグルも、何もない時代でした。今なら、ノートに書くだけでなく、いろいろな工夫が出来るかと思います。

今のように情報が氾濫する時代に、反省をしようとすると、思い出すことが多すぎて、とても時間がかかってしまうかもしれません。
十分リラックスして、自分を責めるのではなく、失敗したことを、次回はこうしようという反省が、良いと思います。
最近は、マインドフルネスという言葉で、瞑想が注目されているようです。反省後に瞑想をするのもよいと思います。あるいは、お祈りをされている方は、それも良いと思います。
ご自分に合った自由な方法で、ご自身の心を感じられることが、良ろしいのではないかと思います。