昨日、「創造主と救世主」というブログで、十三神について、ご説明いたしました。
天理教の教祖様(おやさま)が遺された「元の理」、「どろうみこうき」というお話があります。
元の宇宙の中で、神々がどのように働いて、人間が生まれたかということが、「元の理」には語られています。
「元の理」とは、「どろうみこうき」というお話として、口伝えにして伝わってきました。
明治時代以前に、語られたお話ですので、言葉や喩えが、非常に古い形になっています。
口伝えのため、様々なバージョンがあるようです。
この「どろうみこうき」のお話によって、八柱之大神様の神名とその役割と、そのご守護が明確に述べられました。
その点で、非常に重要なお話です。
私は、松川晃月師より、「元の理」、「どろうみこうき」、次のように、教えていただきました。
どろうみこうき
注、「どろうみ」とは、原初の宇宙のこと。「こうき」とは口記のこと。
この世の元初り(もとはじまり)は、どろ海であった。月日親神は、人間を造り、その陽気ぐらしするのを見て、ともに楽しもうと思いつかれた。
注、月日親神とは、創造主のことです。創造主は、一つ二ツの大神(救世主)をして、人間を造ろうと思われました。この「どろうみこうき」では、創造主と救世主の関係が、抜け落ちています。
そこで、どろ海中を見澄まされると、沢山のどじよ(どじょう)の中に、うを(魚)とみ(蛇)が混ざっている。夫婦の雛型にしようと、先ずこれを引き寄せ、その一すじ心なるを見澄ました上、神として拝をさせようと約束し、承知をさせて貰い受けられた。
続いて乾(北西)の方からしやちを、巽(南東)の方からかめを呼び寄せ、これ又承知をさせて貰い受け、食べてその心味(こころあじわい)を試し、その生(しょう)を見定めて、これ等を男一(おとこいち)の道具、及び、骨つっぱりの道具、又、女一(おんないち)の道具とし、夫々(それぞれ)をうをとみに仕込み、男、女の雛型と定められた。イザナギノミコト、イザナミノミコトとは、この男雛型・種、女雛型・苗代の理に授けられた神名(かみな)であり、ツキヨミノミコト、クニサヅチノミコトとは、夫々、この道具の理に授けられた神名である。
更に、東の方からうなぎを、坤(南西)の方からかれいを、西の方からくろぐつな(へび)を、艮(北東)の方からふぐを、次々と引き寄せ、これにもまた、承知をさせて貰い受け、食べてその心味を試された。そして夫々、飲み食い出入り、息吹き分け、引き出し、切る道具と定め、その理に、クモヨミノミコト、カシコネノミコト、ヲフトノベノミコト、タイショククテンノミコトとの神名を授けられた。
かくて、雛型と道具が定まり、いよいよここに、人間を創造されることとなった。そこで先ず、親神は、どろ海中のどじよを皆食べて、その心根を味い、これを人間のたねとされた。そして、月様(男雛型、クニトコタチノミコト)は、イザナギノミコトの体内に、日様(女雛型、オモタリノミコト)は、イザナミノミコトの体内に入り込んで、人間創造の守護を教え、三日三夜の間に、九億九万九千九百九十九人の子数を、イザナミノミコトの胎内に宿し込まれた。それから、イザナミノミコトは、その場所に三年三月留り、やがて、七十五日かかって、子数のすべてを生みおろされた。
上の文章が、「どろうみこうき」の始めの部分です。
これを、晃月師に教えていただいたように、分かりやすく、意訳をすると、次のようになります。
創造主(二ツ一つ之大神)は、救世主(一つ二ツ之大神、天之御中主之命)にお命じになって、人間を創造しようと思いつかれました。人間の陽気暮らしをしているところを見て、共に楽しもうと思われたからです。 天之御中主之命の体内に、クニトコタチノミコトが入り込み、カムロギノミコトが生まれ、それから男雛型・イザナギノミコトが生まれました。 天之御中主之命の体内に、オモタリノミコトが入り込み、カムロビノミコトが生まれ、それから女雛型・イザナミノミコトが生まれました。 ツキヨミノミコトは、男一の道具、骨つっぱりの道具の理に、授けられた神名です。 クニサヅチノミコトは、女一の道具、皮つなぎの道具に、授けられた神名です。 クモヨミノミコトは、飲み食い出入りの道具の理に、授けられた神名です。 カシコネノミコトは、息吹き分けの道具の理に、授けられた神名です。 ヲフトノベノミコトは、引き出しの道具の理に、授けられた神名です。 タイショククテンノミコトは、切る道具の理に、授けられた神名です。 男と女の雛型が定まり、人間を守護する道具が定まったことで、人間を創造することになりました。
そして、天之御中主之命は、宇宙のどじょうを人間の種とされました。 クニトコタチノミコトは、イザナギノミコトの体内に入り込み、オモタリノミコトはイザナミノミコトの体内に入り込み、人間を創造したら、どのように守護をするのかを教えた上で、三日三夜の間に、夥しい多く(九億九万九千九百九十九人)の子数を、イザナミノミコトの胎内に宿し込まれました。 それから、イザナミノミコトは、その場所に三年三月留まり、やがて七十五日かかって子数のすべてを産みおろされました。
この様にして、地球の人類の創造がはじまりました。
イザナギノミコトは、男の雛型・先祖となり、イザナミノミコトは女の雛型・先祖になりました。