先日、詩吟の大きな演奏会がありました。
それは、私が所属している流派、つまり‘曾山流樹徳吟詠会’の‘総本部曾子会・柳昌会吟詠大会’が開催されました。
そして、この演奏会の中では、‘構成吟’という詩吟によって、構成された出し物があります。
今回は、楠木正成公の活躍を描いた‘大楠公’という演題でした。
この’吟詠大会’は、構成吟の他は、さまざまな詩吟を、一人で独吟したり、何人かで合吟することで、行なわれます。
途中で、’曾山流’以外の他流派による詩吟も、吟じられます。
曾山流、及び、各流派の’吟’は、それぞれ違っています。
詩吟は、江戸時代、あるいは、明治時代に成立したのですが、その後、流派に分かれたため、吟題の漢詩は同じであっても、詩吟のテンポや節が、流派毎に変わったといえます。
現在、’曾山流樹徳吟詠会’で活動しているメンバーは、約300人ほどです。
中には、若い10代の会員も存在するのですが、会員の平均年齢は、約80歳です。
舞台に登場する時に、杖の助けを借りなくてはならない方たちも、何人もおられました。
そして、‘曾山流’に限らず、詩吟の流派の悩みは、高齢化と若い世代が入会しないので、会員数が先細りをして行っていることです。
そういう状況にあるため、私は新規の会員募集のために、ホームページを開設することを提案したのですが、それが何とか予算がついて、来年の2025年までに、立ち上げる計画で進んでいます。
曾山流の中には、たくさんの吟詩会と呼ばれる教室があります。
その教室ごとに、練習場所、練習日、教える先生などが決まっています。
この吟詩会の一覧表をまとめているところです。
この吟詩会の一覧表を、ホームページで公開することにより、詩吟に興味を持たれた方が、自分に都合のよい吟詩会を選んで、入会してもらおうという目論見です。
そして、今回の’総本部曾子会・柳昌会吟詠大会’の様子を、写真を使ってホームページに掲載して、どのような活動が行なわれているかを、知ってもらうつもりです。
そのために、広報委員会の中に、ホームページの実行委員会を作って、ホームページの企画立案、情報収集を行なっているところです。
今の10代の若い会員が成長する上で、彼らに続く会員がどんどん集まってくれることを、私は期待しています。
詩吟に限らず、日本の伝統芸能、例えば、琴、三絃、尺八などは、それを趣味として愛好する人口が減少しています。
その理由は、学校教育は洋楽ばかりで、邦楽がほとんど取り入れられていないことが、一つの大きな要因だと私は思っています。 (黒川 記)