先日(6/13)の「産土之儀」というブログで、次のように書かせていただきました。

2000年 事務所開き 晃月師と観音様

2000年7月の事務所開き 晃月師と観音様

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(祈りについて、)晃月師は次のようなお話をされました。
「祈る心が重要なのだが、祈る心があれば、形をちゃんとすることも必要だ。
 いくら形が立派でも、心がなければ、意味がない。
 しかし、心と形、どちらも重要だ。」
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この「心と形、どちらも重要だ。」という言葉には、とても奥が深いものを感じます。

お祈りには、「祈り心」と、「祈る言葉」(マントラ、真言)と、「祈りの所作」があります。
「心」と、それに伴う「言葉」と「所作」という「形」のどちらも、重要だということです。

お祈りも、初心で始めたばかりの頃は、祈りの言葉(真言)もうろ覚えで、書いたものを見ながら、ところどころで、つっかえながらのお祈りになります。
柏手の音も、なかなか定まらないものです。

しかし、その人が、神に少しでも届くように、精一杯、捧げるお祈りは、心を動かすものがあります。
最初のころは、正座も長続きしません。祈りの言葉も、所作もぎこちないです。
それが、一年、二年、三年と年が経つに従い、真剣にお祈りをしていれば、形が調い、堂々としたお祈りになってきます。

「心」が、四次元以降の心の世界であるとするなら、「形」は、三次元の物理次元の世界です。

最初は、お祈りの形が調わないものですが、続けていくうちに、いろいろな気付きが得られて、形が調ってくると同時に、心もより高い次元に引き上げられていきます。

こうした「心」と「形」の相互作用によって、私たちは成長していくことができると思うのです。
このことは、こと、お祈りだけには、限らないことだと思います。

最近、「料理のコツ」(秋山 徳蔵 著)という本を読みました。
この秋山徳蔵氏は、天皇陛下の料理番を務められた方で、料理については、神様のような方です。

「料理のコツ」の本の中で、「料理の真髄は真心だ」としながら、「根本の心構えは『注意』」とされています。
その「注意」の後に、次の五則が出て来ます。
第一 良い材料を選ぶこと
第二 材料を活かすこと
第三 手順よく料理し、手際よく配膳する
第四 良い道具を調えること
第五 「火加減」「味加減」「盛り加減」などのコツは料理を多く経験し、悟るほかない
料理は、「習う」ものであって、「おそわる」ものではない。やって行くうちに、悟るものだ。
材料の選択から始って、最後の盛りつけにいたるまで細心の「注意」を払い、瞬時も怠慢することなく、一挙手一投足もおろそかにすることのない心構え、これが料理のコツのいちばんの大本だと断じてよいと思う。
このように、秋山徳蔵氏は、「注意」の大切さについて、述べられておられます。
「心」が作ろうとする「形」(料理)について、細心の「注意」を払いなさいという、秋山徳蔵氏のアドバイスは、料理のみならず、人生全般に関わるコツ、秘訣、極意だと感じました。
こうした学びを続けていくことこそが、「心」と「形」(物)が分離している、この物理次元の世界で、精進する意義だと思うのです。
私たちは、いずれこの物理次元の世界から、四次元、五次元という、さらに高次元の世界に、ジャンプ(アセンション)して行くといわれています。
改めて、物理次元での生活の重要性を知り、大切にして行こうと思いました。