集中内観研修中は、いろいろな内観した方たちのお話やご講演のテープを、聞きながら食事をします。
その中で、非常に興味深い体験談を聞きました。
それは、河野先生という鹿児島のお医者さんのお話です。
彼は、話の冒頭で、次のように、おっしゃいました。
「私は、内観と出会わなかったら、30歳までしか生きられなかったでしょう。」
河野先生は、20歳のころ、痔ろうが原因で、クローン病という難病に罹りました。
クローン病とは、安倍首相で、有名になった潰瘍性(かいようせい)大腸炎と似ていますが、違うところは、大腸だけでなく、小腸など、他の消化器官でも、炎症を起こす可能性があることです。
クローン病を発症されて以後、何時でもどこでも、急に便が漏れてしまいます。
パンツにチリ紙を仕込んで、漏れても大丈夫のようにしたそうですが、そのような身体では、普通の人のように働くことができません。
そのため、非常に苦労をされました。
クローン病が治らないことを苦にされて、死のうとまで思われたそうです。
そんな30歳の時、奈良の鍼灸医の先生から、吉本伊信先生の内観所の話を聞かれたそうです。
そして、藁をもすがる気持ちで、内観に入られたそうです。
最初の2, 3日は、さっぱり手応えがありませんでした。
しかし、4日、5日と進んで行くうちに、お父様に対する内観をされました。
その頃、お父様に対して、大きな恨みの心を持っておられたそうです。
その原因は、若いころ、レコードを買って、サイモンとガーファンクルなどの音楽に熱中していた時期がありました。
お父様が、病気でぶらぶらしていた、河野先生を叱りつけて、30枚くらいあったレコードを、すべて、彼の目の前で踏みつけて、粉々にしてしまったそうです。
「折角、高いお金で集めたレコードなのに!」
と、それからは、河野先生はお父様をずっと恨んでおられたそうです。
それが、内観中に、レコードを壊されたことが、お父様の深い愛情だったということに気付かれました。
その一つの気付きで、一週間の内観が終わったころに、クローン病によって、便が漏れる症状が、奇跡的に治ってしまったのです。
それ以来、内観所で身に付けた、朝5時に起きて、日常内観をするという習慣を、60歳を超える今日に至るまで、続けておられるそうです。
昨日のブログでは、内観によって、「内面が変われば、外側の世界も変わる」と書きました。
内観によって、肉体も変わることがあるのです。
河野先生の内観体験談ほど、劇的な病気の治癒ではないのですが、今回の内観で自分の肉体にも、ささやかですが変化が起きました。
20年ほど前に、五十肩になった後、左手の人指し指に、痺れが残りました。
その痺れが、時々気になるのですが、内観から戻ってきてから、少しも気にならなくなっていました。不思議なことですが、痺れが緩和されました。
また、「尿管結石と珪素水」というブログに、書きましたように、この集中内観研修に入る前に、尿管結石を患っていました。
その結石が、内観に入った翌日、21日の月曜日の朝、トイレに行ったら、あっさり外に飛び出しました。
6㎜ほどの結石でした。