十三神の神々のうち、「大戸辺之命」に続いて、12神めになる「大食天之命」(たいしょくてんのみこと)のお話しになります。
「大食天之命」は、八柱之大神としては、7神めになります。
赤い蓮の花

八柱之大神 その7 大食天之命
(やはしらのおおがみ たいしょくてんのみこと)

 
 八柱之大神様のお話も残すところ2神となりました。今日は、育ての大神大戸辺之命に続いて育ったならば、一人独立をして働くようにと言うわけで、放ち之大神様大食天之命様のお話です。 水のきよめから始まって、理分け、出入りを繰り返してつなぎを経、芯を入れて支えを作り、内実を充実し、独立して働きを為すところまで、神々がお働きたまわるところまで来ました。
 
人の誕生で言うならば、男の水のきよめが女の体内で起こり、人として生まれる理分けの意思を持って、細胞分裂を繰り返し、それをつなげて内蔵骨皮をつくり、それらを育てて人の形が出来たところであります。後は体温を得て母の体内から出てきます。まことに精妙な仕組みであります。
 
人が独立をして仕事をするときも、同様のプロセスを経なくてはものになりません。事に当たるときの純粋な気持ちが先ず求められます。次に、仕組みを理でもって解し、色々とやってみるのであります。関連のあるものを結びつけ、人をつなぎ、ようやく骨格が見えてきます。そして懸命に育て、よしとなったら責任を持たせてやらせていただくのであります。後は、ぬくみのある血の通った仕事を続けるだけです。 ですから、大食天之命様のお働きは、タイミングよろしく、己可愛いい欲の気持ちを去って、利他の心に立つとき最も大きなものとなります。
 
福と智を虚空のように無限に持ち、人々の望みに応じて分け与えるという虚空蔵菩薩様や、国土を護り幸福をもたらすという、妙見菩薩様などにそのエネルギーを見て取ることが出来る。
 
指で言えば、右薬指にこの大神のエネルギーは出ており、面足様の宿る右親指と円を為す印は、あらゆる災難を切り払うとする。
 
女性に多く宿るエネルギーであり、女姉妹の理を護ろうとするエネルギーである。
 
日々午前2時から6時の時刻にお立ちになるエネルギーであることから、日々この時刻に休まれると疲れなど、邪や魔の影響を放すことが出来る。この時刻は、神にお手入れいただくという気持ちで、ゆっくりとされるべきなのです。八柱之大神の筆頭、国常立の命とこの神が入れ替わる、深夜2時は、神格の故に格差が生じ、丑密どきと言いしばしば深刻な事情身上が生まれる時刻として注意を要する。
 
この時刻に生まれ活動する邪魔が深刻な身上(病気)の原因となっていることが多く、私が丑密修祓と言って、邪魔を祓う修法を執り行う理由です。
 
この神は、丑寅(北東)の方角にたたれ、切ること放つこと一切を守護し、体内では、膵臓、肝臓などを守護します。
 
月々の邪魔を祓うには、3日の正午から8日の12時に邪魔を意識して、行動を祈りに乗せる必要があり、年々にては、一月二十一日から三月二十日の間にこの神の働きが顕著になりますから、この間の心言行のあり方が、邪魔による障害を受けるか受けないかを決めることになります。
 
仏教には、この神のエネルギーを表す仏様が数多く居られる。
 
 
【解説】
晃月師から、大食天之命様は、放ちの神様といわれ、切ること一切をつかさどっているとお教えいただいています。
 
晃月師がこの大食天之命様について、よく話をされていたことが、2つあります。
 
一つは、大食天之命様と、国常立之命様のエネルギーの大きさに、大きなギャップがあることにより、丑三つ時(午前2時)が、邪や魔が活動しやすい時間になっていると、伺いました。
 
どういうことか、もう少し解説しますと、国常立之命様が日々でご守護をされる時間帯は、午前0時から午前2時の間です。大食天之命様が日々でご守護に立たれる時間帯は、午前2時から午前6時までの時間です。
国常立之命様が、大食天之命様に切り替わる時に、一瞬のスキができるため、その瞬間を邪や魔が狙って、悪さをするので、気を付けるようにしなさい、ということなのです。
 
もう一つは、お祓いをするときに、この大食天之命様の印綬を使います。大食天之命様は、切ること一切をつかさどると、常々、お聞きしていました。
 
この大食天之命様の立たれる時間帯、午前2時から6時の間に、晃月師は、丑密修祓(うしみつしゅうばつ)という大きなお祓いをされました。
以下の写真は、大食天之命様の印綬の写真です。左手で印を結ぶのですが、左手の親指と薬指を付けた形が、その印綬になります。

この印綬は、悪いもの、例えば、邪や魔であったり、悪いご縁、例えば、好ましくない男女の仲などを、切りたいたときに、使います。

大食天之命様の印綬

大食天之命様の印綬 右手の親指と薬指を付ける

この印綬を、右手に結び、山伏が印を切るように、右手を右上から左下に、そして、左上から右下のように、振り下ろします。
そうすることで、悪縁を切ることができると、お教えいただきました。

実は、私は、晃月先生に、丑密修祓をしていただいたことがあります。

それは、忘れもしません。
先生のご自宅の晃月案の近くにある近鉄の駅に着いたのは、2001年9月11日の夕方でした。

迎えに来てくれたKさんに、開口一番、「ニューヨークが、テロで大変なことになってますね。」といわれて、9.11のテロを知ったのです。

先生の丑密修祓は、その夜の午前2時から、行われました。
そのとき、私はあるセミナーにハマっていて、なかなか抜けられませんでした。

最初に、先生は、「くさい、くさい。セミナーの臭いがする。」とおっしゃいました。
丑密修祓は、割りとあっけなく終わりました。

その後、全くセミナーに興味を示さなくなったのは、自分でも不思議でした。

晃月師は、丑密修祓(うしみつしゅうばつ)、あるいは、ふだんのお取り次ぎで、悪霊に憑りつかれた人の体に向かって、この印綬を切ることで、邪や魔を祓っておられました。

※ 「丑密修祓」は、午前2時から開始する浄霊作業のことを指します。非常に重い憑依の場合は、通常の時間ではなく、切ること一切の大神様である、大食天之命様の守護する時間帯に、修祓(浄霊)を行います。
※ 「お取り次ぎ」とは、お神に取り次ぐことで、その人の病気などを祓う行為を指します。