物理学では、ある現象を仮説でもって説明をします。
その仮説が、あらゆるケースにおいて、説明できれば、それは定説になります。
定説になると、それは事実であるかのように、認識されます。
ただし、定説にそぐわない反例が見つかると、見直しがかかります。
天の川

天の川

このブログでは、しばしば、魂とは人間が見ることができない高次元の存在だと説明をするのですが、科学ではそもそも高次元の世界などというものを認めていないので、あっさり否定されてしまいます。
 
しかしながら、スピリチュアルの世界を、科学的に説明をしようという試みがあります。
 
スピリチュアルの世界が、量子(クオンタム)力学によって説明可能であることをいうために、量子力学が使われることが多いようです。
 
例えば、QHHT(Quantum Healing Hypnosis Technique、クォンタム ヒーリング ヒプノシス テクニック)というスピリチュアルの分野があります。
QHHTは、以前は、ヒプノセラピー(退行催眠療法、)と呼ばれていました。
 
引き寄せの法則や、平行宇宙を説明するために、量子(クォンタム)という概念が使われることもあるようです。
 
ただし、量子力学は、極微の世界では、説明できない現象があるため、完全ではないということが分かっています。
 
そこで、登場してきたのが、超弦理論です。
 
この超弦理論の基本的なアイデアは、エネルギーや物質の単位は、ひも、あるいは、ブレーンという膜である、という主張です。
日本人の理論物理学者である、南部陽一郎博士が、最初に提唱した弦理論(ひもりろん、げんりろん)から発展してきました。
南部氏は、2008年に、ノーベル物理学賞を受賞しています。
 
その後、フィールズ賞、受賞者であるエドワード・ウィッテン氏が、1995年に、M理論を発表することで、超弦理論にまで発展しました。
 
では、超弦理論とはどのようなものでしょうか?それを理解するため、一つのユーチューブ動画をご紹介いたします。
 
静岡大学 森田健氏
 
量子力学+一般相対性理論では、10のマイナス35乗のミクロの世界を、説明できなくなるという問題があります。
重力が大きくなりすぎて、計算ができなくなるというのが、その理由です。
 
極微の世界のみならず、宇宙誕生の直後(ビッグバン)や、ブラックホールの中心でも、同じように理論が破綻します。
 
この2つの理論が、極微の世界で破綻することは、随分前から知られていました。
その問題を解決しようとして、つまり、極微の世界を説明する理論が、いろいろな試行錯誤がされてきました。
 
自然界に存在する基本的な力は、四つあります。
一つは、お馴染みの重力です。
そして、磁石の持つ電磁力が、二つ目の力です。
残りの二つは、素粒子の世界で働く、弱い力と、強い力の二つです。
この弱い力と、強い力は、一般には馴染みのない力です。
強い力は、電磁力より強いので、強い力、弱い力は、電磁力より弱いので、弱い力と名付けられたそうです。敢えて、詳しい説明は控えさせていただきます。
また、重力は電磁気力よりはるかに弱いことが分かっています。
 
さて、私たちに一番馴染みが深い重力が、実は、物理学の世界では、一番説明が難しい力なのです。
 
強い力、弱い力、電磁力の三つの力を含む、統一場理論は、確立されているのですが、それに、重力を加えて、四つの力を統一する理論は、未だに確立されていないのです。
 
唯一、うまく行きそうだという理論が、超弦理論なのです。
 
その結果、消去法で考えると、超弦理論がこの世界を説明するのに、現在、最も有力な理論ということになります。
 
では、その超弦理論が描く世界・宇宙とは、どのようなものなのでしょうか?
結論からいうと、驚くべきことに、この世界は、10次元時空(9次元+時間の1次元)であるというのが結論です。
 
最初から、この宇宙が多次元の世界であることを、前提としているのです。
何故、8次元+時間ではなく、10次元+時間でもなく、9次元+時間の10次元時空でなければならないのかという理由は、ドイツ人の数学者、リーマンの公式を使って導かれるのですが、詳しい説明は、「大栗先生の 超弦理論入門」(大栗博司著)をお読みください。
 
10次元時空をシンプルに説明する一つの動画を、ご紹介いたします。
 
ヨハンナ・クナップ氏(IPMU,カブリ数物連携宇宙研究機構)
 
今の時点では、超弦理論は、仮説の一つです。
 
超弦理論の10次元時空から、4次元時空がどのように誕生するかを研究している研究者もおられます。そのユーチューブ動画をご紹介いたします。
 
伊藤祐太氏(高エネルギー加速器研究機構)
 
超弦理論が定説になるまでには、まだまだ時間がかかると思います。
 
2008年に、ノーベル物理学賞を受賞した「益川・小林理論」は、論文が発表されたのは、35年前の1973年でした。
益川敏英氏と、小林誠氏が提案した「益川・小林理論」が、実証実験を通して、確認されるまでに、何と35年もかかったのです。
 
ウィッテン氏が、M理論を発表したのが、1995年ですから、超弦理論が実証されるには、35年かかるとしたら、2030年頃になりそうです。
ただ、友人の学者さんの話では、「実証できないのでは?」という話も聞きました。それほど、難しいようです。
超弦理論が、定説となるにはまだまだ相当な時間が掛かりそうです。
実証されるころまでには、地球は、既にアセンションを達成しているかもしれません。
そのころには、超弦理論が示唆するように、この宇宙が、10次元時空であり、多次元宇宙であることが、世間の一般常識になっているのでしょう。